概要

頭蓋顔面に疾患を持つ患者さん

1) 円滑な各科連携に基づく集学的かつ高度な医療の提供

生まれつき頭や顔に病気を持つ患者さんの治療にはチーム医療が不可欠です。当センターでは小児科、形成外科、脳神経外科を柱とした集学的なチームを形成し日々の診療にあたっております。
特に手術治療を行う際には非常に高度な医療が必要となることが少なくありません。安全に手術を行うためには、手術中のみならず、手術前のコンディション、手術後の回復も重要になります。
慶應義塾大学病院小児頭蓋顔面(クラニオ)センターでは、手術前にあらかじめ関連部署によるカンファレンスを行い、情報共有し、治療を行っております。このカンファレンスには手術を執刀する科だけではなく、小児を専門とする麻酔科医、術後の状態を管理する小児科の集中治療班、手術室看護師、病棟看護師なども参加します。

2) 成人になるまでの総合的かつ継続的な医療の提供

生まれつき頭や顔に病気を持つ患者さんは幼少時に治療を行っても、そこで終わりではありません。その後の患者さんの成長(からだもこころも)を長期にわたり、きちんと見守る必要があります。
慶應義塾大学病院小児頭蓋顔面(クラニオ)センターでは、大学病院という特性をいかし、小児期を過ぎ、成人になったあとでも一貫した医療を提供します。

3) 臨床・基礎研究の展開

生まれつきの頭や顔の病気の一部は遺伝子が特定され、その原因が分かっていますが、ほとんどの病気はなぜ起こるのか分かっていません。また治療も比較的、負担が大きいものが多いのが現状です。
慶應義塾大学病院小児頭蓋顔面(クラニオ)センターでは臨床研究推進センター、臨床遺伝学センターと連携し、生まれつきの頭や顔の病気の臨床・基礎研究を推進し、新しい治療法の開発に寄与することを目指します。

4) 次世代の医療従事者の育成

慶應義塾大学病院では1981年より生まれつきの頭や顔の病気の治療を開始し、幸いにも後継者もおり、それまで治療していた人も引き続き診療を受けられています。このように将来、同じ病気をもって生まれてくる子たちにも絶えることなく同じ医療を提供していく必要性があります。
慶應義塾大学病院小児頭蓋顔面(クラニオ)センターでは、日々の診療と研究を通じて生まれつきの頭や顔の病気の診療や研究に精通した次世代の医療従事者の育成に貢献します。