対象疾患

頭蓋縫合早期癒合症(中顔面手術)

症候群性頭蓋縫合早期癒合症の場合には、頭蓋骨だけではなく顔の骨にも影響を及ぼし、それにともなって、顔の骨が十分に発達しないことが多くあります。そのため①目が飛び出ている(眼球突出)、②受け口(反対咬合)、③いびき(上気道狭窄)といった症状が出ることがあります。
こうした症状により見た目も特徴的になるために、手術を行うことで、改善を図ります。具体的な治療時期をお示しします。

頭蓋縫合早期癒合症(中顔面手術)

最も良い時期は2次成長が終了したタイミングです。それはこの時期以降であれば成長に伴う変化がないためです。しかしながら上気道狭窄がある場合には、生命活動に絶対に必要な「呼吸」に直結することになるため、早期に治療を行う場合があります。眼球突出が強く角膜に傷がついたりすると視力にも影響するために同様に早期に治療を行う場合があります。
また特徴的な顔つきは学校生活の妨げになることもあります。そういった事情を考慮して治療時期を決定します。
治療方法は中顔面骨延長術を行います。延長器には外固定型延長器と内固定型延長器という2種類がありますが、当院では内固定型延長器を好んで用いています。

「外固定型と内固定型延長器」

それは延長器を取り付けたまましばらく自宅で生活する必要がありますが、外固定型ですと、日常生活の妨げになり、生活の質が落ちてしまうためです。そのため外固定型は1か月ほどで取り外すことが多いですが、そうするとしっかりとした骨ができていないために、後戻りが大きくなります。
一方、内固定型ですと日常生活にほとんど支障はきたさないため、骨がしっかりできた後に取ることが可能です。

治療の流れ

実際の症例(左:術前、右:延長終了後)

また病気の種類によっては、左と右目の位置が違う、眼が離れている、といった症状を起こすことがあります。そういった目の位置異常に関しても対応することができます。