いかなる手術を行うにしても、合併症の危険性をゼロにすることは不可能です。頭蓋顎顔面領域の手術における重大な合併症としては、脳障害や視力障害があげられます。合併症を起こさないように注意して手術は行いますが、ほかの手術同様に、この危険性を完全にゼロにすることはできません。しかしゼロに近づけることは可能であり、そのときに役立つのが実体模型です。
実体模型は、あらかじめ頭のCTを撮影させていただき、このデータをもとにつくります。患者さまご自身のそのままの大きさの模型となります。この模型をもとにして手術のプランニングや危険な部位などを確認し、実際の手術に先立ちシミュレーションすることでリスクを下げます。
また頭蓋骨が欠損している症例に対しては、この模型をもとに、欠損部に合わせたオーダーメイドの人工骨を作成するため、ぴったりとフィットして、なおかつ手術時間の短縮にもつながります。
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※ 実体模型の作成費用は患者さまのご負担となります。ご了承ください。 |
頭蓋縫合早期癒合症に対する手術シミュレーション |
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Hemifacial Microsomiaに対するあごの延長のシミュレーション
このような複雑な延長のシミュレーションができるのはメリットである。
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頭蓋骨欠損部に合わせて作成したチタン製の人工骨 |